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2000年1月16日。この日の東京は少し肌寒いが天気はまずまずといったところ。
取材スタッフは計3名。うちチーフのTをのぞいてAとNは全くの初体験。 午前7時に我々が船着場に集合したときには出船準備はすでに万端で、何とこの日の取材のために「山田屋」から4名の船長がオールスターで乗船してくれるとのこと。

最初に「錘りなくしたらすぐ新しいのあげますから。わかんないことがあったら何でもいってください。」と笑顔で貸竿を手渡される。初体験の不安でやや緊張気味だった取材Aは「うん、これなら何とかだいじょぶ」となんとも頼り無さげ。「ほんとに取材大丈夫か?」とお互いに声を掛け合いながらよろめきつつ乗船した。
(当日の模様をクイックタイムムービーで御覧いただけます。 こちらをクリック

4人の船長
▲4人の船長
この日は我々取材スタッフの他に約10名ほどの釣り客が乗り込んだ。船長たち4人は作業の手際がてきぱきとしていて動きにムダがない。
船は「第七山田丸」。全長19.6m、全幅4.4m、総トン数は16トンで、エンジンはヤンマーの840馬力を搭載している。大型船なので揺れが少ないのが特徴とのこと。男性用トイレが前後に2つと、何とゆったりとした女性専用トイレが後部キャビン内に1つついている。これを聞くとわけもなく安心してしまうから不思議だ。 第七山田丸
山田船長
「山田屋」3代目山田忠司船長(写真右)はこの日は乗船せず、船着場で釣り方から魚の調理法までいろいろアドバイスをしてくれた。実は一番上の写真4人の中で左から2人目が4代目山田康弘船長。この若きホープを忠司船長は全面的に信頼し、まかせているのがやりとりの中でうかがえる。
出航風景01 全員がつつがなく船に乗り込みいよいよ出船。朝日が水面に反射してキラキラと眩しい。取材Aがウットリしているのをよそに釣り客たちは準備に余念がない。
湾口まで十数分。いつもと違う視線で東京をながめられるので全く飽きない。眺めに気をとられてしばらく気付かなかったが、この船はかなり速い。東京湾に出てからさらにスピード感を感じる。次々と他の船を抜いていくのだ。最高速力30ノットは伊達ではない。
当然目的地までもあっという間だ。今日の釣り場は竹岡沖〜九里浜沖。 1時間半ぐらいかかるという話だったが、実感としてはもっと短い気がした。
出航風景02
操舵室 現地到着。
周囲には数十隻の釣船が見える。
船長の合図で一斉に仕掛けが投げ込まれ、皆竿先に集中しはじめた。
頃合をみて操舵室にお邪魔した。
カラー魚探、GPSプロッター、レーダーのフル装備。方向感覚を失っている取材Aに山田康弘船長がGPSプロッターを指しながら丁寧に現在地を教えてくれる。
船長

話を聞きながらふと見ると別の船長が舵とスロットルを巧みに操作している。釣っている間の船は漂っているだけかと思いきや、潮に対して絶妙な角度をキープさせて釣り糸の流れをコントロールしているのだ。ありがとう、船長たち!

お客01 すっかり感心して表へ出ると、皆さんのバケツには結構な枚数のカワハギが入りはじめている。
取材チーフTはすでに撮影そっちのけで竿先に集中している。ここで取材AとNも初挑戦。ムキ身を縫うように針につけると教わり、その通りにしているつもりなのだが、投げ込む衝撃でムキ身はポロリとはずれてゆらゆらと水面下に消えていく。
お客02
竿を投げ込むこと数十回。泣いたり笑ったりしているうちにあっという間に時間は過ぎていく。その後船は九里浜沖に場所をかえ、午後3時頃に船長の合図で竿を畳んだ。
清水さん 常連だという清水さんにお話を伺った。
「今日はあまりよくないかな・・・」といいながらバケツは十数枚のカワハギでいっぱい。その中でも一番の大物を持ってもらって記念撮影(写真左)。御自宅は「山田屋」まで自転車で10分ぐらいということで、よく利用されるそうだ。「都内出船だと渋滞がないからかなり楽」とのこと。よく一緒になる釣客は都内だけではなく、埼玉方面からの人も結構いるそうだ。

帰路は往路にもましてかなりのスピードを感じる。観音崎、木更津、羽田と次々と景色が変わり、あっという間に湾口から荒川に滑り込む。首都高に連なる車の列を見ると「都内から船」という快適さをあらためて実感する。
「山田屋」船着場到着。
3代目忠司船長と奥さん、そして忠司船長の父上である2代目の山田隆造さんに迎えられ、お茶とお菓子をつまみながら焚火を囲んでの談笑の一時がはじまった。最近の釣況やこれから釣れる魚など素人にもわかりやすく丁寧にはなしてくれる。「山田屋」スタッフがつくり出す和やかな雰囲気の中で釣客のみなさんもホッと一息ついている様子。
この日に乗った大型船は夏場の花火大会の観覧船やテンプラ船にも利用できるとのこと。「先々は広いキャビンを活用してパーティーなんかもできるようにしたい」と忠司船長。「常に4・5年先を見据えてお客さんのニーズに応えていきたい。」と語る。
「山田屋」は巧みな舵取りで時代の波も乗りこなそうとしているようだ。

到着風景
・・・A